好きって言ったら、どうする?
*Section4
───次の日
(……昨日のことが夢だったみたい…。)
私は朝からそんなことを考えながら
ずっとぼんやりしていた。
勇さんのあの照れた後ろ姿が
頭に焼き付いて離れない。
───勇さんも、照れるんだなぁ。
(いつもクールで大人だから…
動揺することなんて無いんだろうなぁって思ってたけど……。)
昨日の勇さんは、どこか可愛いところがあったような気がする。
…あ、いや勿論
かっこいい部分がほとんどなんだけどね。
そんなことを1人心の中で呟きながら
私は4時間目の最中に
窓の外を見ながら、昨日のことを思い出す。
『お前らが2人でいるとこ……
何か、見てらんなかったんだよ。』
砂浜に着いてから、勇さんが私に言ったあの言葉。
一体あの言葉に
勇さんがどんな意味を込めているのかは分からないけど
どんなことにせよ……私には嬉しすぎる言葉だった。
…どうしよう、自惚れそう。
(っ、ダメ!ダメだよ私!
自惚れるなんて絶対…!)
だって、だってあり得ないもん!
勇さんが私にヤキモチなんて妬かないよ!
私は自分にそう言い聞かせながら
脳に浮かんだ都合の良い期待を
ブンブンと振り払う。
───そんなことを考えているうちに
4時間目の授業は終わってしまった。