好きって言ったら、どうする?










「い、いやでも
勇さんのことだから多分ちょっと違うんじゃ……。」

「じゃあ例えば?」

「え……。
………きょ、兄妹愛…的な…?」









私がカナにそう答えると



カナは呆れたように
はぁ、とため息を吐いて



そして、私に

ズイッと顔を近づけた。









「絶対に、そんなわけないから。」









そして


確信した声で
私にはっきりと、真っ直ぐにそう答える。





そしてカナは

目の前の私に
鋭くキリッとした目を向けながら、


まるで私の浮ついた思考と言動を
牽制するように

体の前で腕を組んだ。







私はそんなカナの迫力に

思わず口を閉ざす。









「本当に柑奈は鈍感というか
自信を持たなさすぎるよね!」

「うっ………。」

「そんな風にホワホワしてたら、
誰かに横取りされるって前から言ってるじゃんか!」









もっとしっかりせぇ!、と


カナは私にそう説教をして
バシッと私の肩を叩き

気を引き締めさせた。





私はそれに

まるでコーチから指導を受けた運動部の選手のように

「は、はいっ。」と
反射的に声を上げる。







私のその返事を聞くと

カナは大きく頷いて



やっと、お弁当を広げて
お昼を食べ始めた。








(……や、やっぱりカナってすごい…。)








私はそんな目の前のカナを見ながら

黙って心の中で
そう呟く。







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