好きって言ったら、どうする?







───────────────
──────────
─────








そしてその後

授業を終えて
帰りのホームルームも終了。






それと同時に


いつものように
カナが私のところへやってくる。









「柑奈、帰ろー。」

「あ…カナ、ごめん。
今日は一緒に帰れないや。」









私は荷物を鞄に詰めながら
カナにそう断りを入れて

そしてカナの方に 顔を向けた。






カナは私のその言葉に

つまらなそうに口を尖らせて
「えー。」と駄々を込めるような声を漏らす。









「私今日用事があって…。
どうしても外せないんだ。」

「えー、そうなの?」

「うん、ごめんね。
また今度遊びに行こう。」










そう言って、私はカナに
眉を下げながらお詫びを入れて


鞄を、肩にかける。









「そっかー。じゃあ仕方ないね。
ん、また今度ねー!」

「うん、バイバイ。また明日ね。」









そう言って

私は肝心な『紙袋』を手に持って



カナに手を振り、教室を出る。








───今日はこの後、お店を訪ねる。









(勇さん、今日お店にいるかな…。)









学校を出て、お店までの道を歩きながら
心の中でそう呟く。




紙袋に入っているのは

昨日勇さんに借りた、Tシャツ。





それと、昨日のお礼にと買ってきた
お菓子が中に入っていた。








…勇さん、お菓子食べるか分からないけど。









(………あ、店長さんだ。)









少しそんな心配をしながら
紙袋のお菓子を眺めていると



見えてきたお店の前に

店長さんらしき人が立っているのが、目に入った。





私は足早に そこへ向かう。










「店長さん!」

「ん?
おぉ、柑奈ちゃん!」










私が声をかけると

店長さんはすぐに気がついて


いつものように
元気よく私の名前を呼んで 片手を挙げた。









「店長さん、今日勇さんって
バイト入ってますか?」

「ん?あ〜……いや、勇は…。」










私がそう尋ねると

途端に店長さんは言葉を濁らせて



困ったように眉を寄せ
斜め上に視線を逸らす。







< 138 / 428 >

この作品をシェア

pagetop