好きって言ったら、どうする?







(………?)










私は店長さんのその様子に
疑問を抱いて、


「どうかしたんですか?」と
彼に尋ねる。










「何か風邪ひいちまったみたいでよ。」

「え、風邪…?!」








私は店長さんの言葉に
思わず目を大きく見開いた。






風邪ひかないように気をつけて、と

昨日言ったそばから───









(……絶対昨日の雨のせいだ…。)









あんなに濡れてたのに
先に私がお風呂に入っちゃったし、


ちゃんと髪の毛乾かす前に
外に出ちゃったし、


それにそのまま家まで送ってもらって…










(…ど、どうしよう……っ。)









原因の心当たりが、多すぎる。









「何だ柑奈ちゃん、勇に用事か?」

「あ…は、はい。
届け物と言いますか……。」

「そうかぁ………あ、ならよ!」









すると


話している途中に

店長さんが何やら思いついた様子で、
私の方へ視線を向ける。









「勇によ、飯持って行ってやってくんねぇかな。
多分朝から何も食ってねェんだよ。」

「え……そうなんですか?」









店長さんの言葉を聞いて
私がそう尋ねると


店長さんはコクコクと頷きながら

困ったように眉を寄せた。









「バイト休む連絡が来たのが昼過ぎでな。昼持って行くかって言ったら
食欲無ェからって断られたんだよ。」

「…そうなんですか……。」

「でもさすがにもう何か食わせねぇと
治るもんも治んねぇだろ?」









だからさ、
柑奈ちゃん行ってくれねぇかな?、と



店長さんが私に頼み込む。





私は「はい!」と返事をし
大きく頷いて

店長さんと、お店の中へ入った。









そして厨房の奥から

おかゆやお味噌汁が一緒に置かれた
トレイが、運ばれてくる。









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