好きって言ったら、どうする?
「……っ………。」
あまりの驚きに目を見開くと
それと同じくして、唇が離れる。
今
何が起こったの──────?
一瞬で頭が真っ白になった私に
勇さんの熱を含んだ瞳が
真っ直ぐに───向けられた。
「………柑奈…。」
「っ!」
そして
風邪のせいなのか
少し掠れた勇さんの声が
静かに……私の名前を呼ぶ。
───それだけで
私の心臓がバクバクと大きく高鳴った。
「っ、あ……っ、あの
し、失礼します───っ。」
私は
その感覚でハッと我に帰り
逃げるように勇さんの家を出て
急いで、階段を駆け下りる。