好きって言ったら、どうする?
(っ………え…?! え…?!)
帰り道を走りながら
この展開に、頭がグルグルと混乱していた。
─────違う、あれは 違うんだ。
(っ…全部、熱のせいだ…きっと…!)
私は心の中で何度もそう繰り返し
顔に熱を集めながらも
それを振り切るように家まで走る。
だって
勇さんが私を好きだなんて
あり得ない……っ!
『………柑奈…。』
(っ………!)
その間
何度も頭の中で
先ほどの勇さんの声が繰り返される。
私はそれを思い出す度
また、鼓動を大きく鳴らせた。
(っ…違う!あれは、あれは全部……!)
そして私は走りながら
また同じように
頭の中で同じ言葉を繰り返す。
(あれは……っ)
あれは──────
──────きっと全部、熱のせい。