好きって言ったら、どうする?
▼勇side▼











──────夢を見た。











柑奈が俺の隣を歩いてて



2人で、桜を眺める夢。









その日はすごく穏やかで



俺たち2人以外は
そこに誰もいなかった。








─────そう、最初は。











『おーい、北澤ー!』

『あ!要くん!』










なのに






2人で歩いていたら突然


前からあいつがやってきて







何とも簡単に


柑奈の興味をひく。











『っ……おい、柑奈…!』

『勇さん、じゃあまた!』











そして



最初から俺はおまけだったかのように

あいつはあの男と一緒に
桜道を歩いて行こうとした。








俺に笑顔で手を振って






俺が手を伸ばしても

それは柑奈には届かなくて







そしてあいつは






あの野郎と、微笑み合いながら
俺の所から 去っていく。










『行くな……!行くなよ柑奈……っ!』










───戻ってこい!









そう叫んでも届かなくて




俺の目の前は 真っ暗になった。











(っ……何でだよ……何で……!)










俺を置いて行くなよ、柑奈───っ。










俺がそんな風に

もがくように柑奈の名前を呼ぶと








不意に…









すぐそばから、声が聞こえた。










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