好きって言ったら、どうする?
「……勇さん…?
私なら……ここにいますよ。」
そんな
心配そうな柑奈の声が聞こえて
俺はふと…暗闇から 目を覚ます。
するとすぐ横に
心配して少し眉を寄せた
柑奈と───目が合う。
「………。」
「…大丈夫ですか?
怖い夢でも見ましたか…?」
そう尋ねる柑奈の顔を
ジッと…
俺は黙って見つめた。
(………あれは、夢……か…。)
段々と
これが現実だと認識し始めて、
俺は心の中で安堵した。
───あれが夢でよかった。
心の底から、そう思った。
「……お前が…」
「…?」
「………いなくなったかと思った……。」
そして気づけば
何故かあいつに そう正直に口走っていて
あいつの存在を確認するように
何度も、柑奈の顔を見上げた。
帰ろうとするあいつを引き止めて
もう少しいて欲しいと、頼みもした。
(………どうしてこんなに、不安なんだ。)
こうして側にいるのに
夢とわかったのに、どうしてこんなに不安なんだ。
俺は 自分の心に
自分でそう問いながらも
見つけられない答えを 必死に探す。
そしてそんな時に
こんな言葉が無意識に出た。
「………お前って、あいつのことどう思ってんの?」
───正直
こんなことを聞くなんて高校生か、と思った。
一体何を聞いてるんだ俺は、と
馬鹿みたいだと思った。
───でも
「…好きなのか、あいつのこと。」
───知りたかった。
柑奈があいつを どう思ってるのか。