好きって言ったら、どうする?
*Section5
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「それで聞いてよ、そしたらその後の展開がさ!本当に信じられなくて!!」
「………。」
「何か修羅場みたいになっちゃってさ!
それでそんな時に張本人来ちゃって---」
「………。」
「それでね……ってちょっと!柑奈聞いてる?!」
「…え?」
(──────あ。)
私はカナの
そんな怒ったような声にハッとして
意識を現実に持ってくる。
そして目の前のカナを見上げると
眉間にシワを寄せながら、
私を鋭く見つめる瞳と、目が合った。
「さっきから上の空でしょ!!
私の話聞いてた?!」
「あ、うっ…ご、ごめん…!」
怒るカナに慌ててそう言って謝ると、
カナは「もう…。」と
頬を膨らませながら拗ねる。
決して、カナの話に興味がないとか
つまらないとかはない。
──────全ては"あれ"のせいだった。
(…………夢……じゃないよね……?)
あれから家に帰っても
ずっとそんなことを考えて
寝付けずにいた。
頭がホワホワして
ぼーっとする。
そして、
かれこれ今日で1週間が経ったが…
─────頭に焼き付いて、離れない。
「………ねぇ。」
「うん……?」
「顔、赤いけど。」
(───?!)
そんな ぼんやりしている時に
カナから不意打ちで、
そんなことを言われる。
私は 分かりやすく動揺して
慌ててそれを否定した。
「え、えぇ?!
か、顔 赤…っ!? な、ないないない!」
「……いや、赤くなってるから言ってるんじゃん。」
「っ…あ、暑いのかな…!あはは…!!」
「………。」
(そ、そんな顔で見ないでカナ───!)
カナは
苦しい誤魔化し方をする私を冷静に、
『なわけあるか。』とでも
言いたそうな顔で私を見つめてくる。
……我ながら、嘘が下手すぎました。
「…正直に言いなさい?」
「っ……な、何を……。」
「どうせ、お兄さん関連でしょ。」
「?!?」
カナの冷静な声色と
『お兄さん』という単語に
またしても分かりやすく反応する、私。
カナは私のそんな反応を見て
フッ、と鼻で笑った。
───カナの前では、嘘がつけません。