好きって言ったら、どうする?
そして手を合わせて、朝ごはんを食べ始める。
言うまでもなく、全部美味しい。
「……お前、名前は?」
そんな風に
彼の手料理に感動していると
不意に
彼からそう尋ねられた。
そして私はそれを聞いて ハッとする。
「あ---北澤柑奈(きたざわ かんな)、です!名乗り忘れててごめんなさい…。」
「いや、俺も聞かなかったし 気にすんな。」
そう言いながら
ご飯を食べ進めるお兄さん。
泊まらせてもらって何から何までしてもらったのに、大事なことを忘れていた…。
そう思いながら反省し、
私もお兄さんに 名前を尋ねた。
「あの、お兄さんの名前は…?」
「進藤勇(しんどう ゆう)。」
「…進藤、さん。」
「勇でいい。」
呼び捨てでいいから と言われ
私は少々戸惑ったけど、
「勇さん」と呼び直して
私は1度箸を置き、彼を見た。
「…あの、泊めてくださって本当にありがとうございました。
すごく助かりました、本当に…。」
「………。」
「改めて今度、お店にお礼に行きます。
本当…ありがとうございました。」
私がそう言って頭をさげると
お兄さんは黙って私を見て箸を置き、
そして
少ししてから 口を開いた。