好きって言ったら、どうする?

*Section6








────あの夜から、1週間後






ついに夏休みも終わり、
学校が始まった…










「………ねぇ、柑奈。」

「……んー…?」

「あんた絶対何かあったでしょ!!」









────は、いいんだけど。






明らかに落ち込んでいる私に

カナが問い詰めるようにして
迫ってくる。








……そりゃ…落ち込むよね……。










「………カナ…。」

「何?」

「……勇さん、彼女出来たかも。」










私がそう言うと


カナは少し沈黙を置いてから、
目を丸くして 私を見る。




そして、状況が飲み込めないというような顔をして

「は?え?」と言葉を繰り返した。










「ど、どういうこと?!いつ?!」

「まだ確定はしてないけど…
先週塾の帰りに……。」

「に?」

「……お店の前で、綺麗な女の人と
仲良さそうに笑い合ってて……。」










あの滅多に微笑みを見せない勇さんが



あんな風に優しく笑いかけて
楽しそうに過ごす姿は




私にとってみれば

すごく貴重な瞬間というか……










「それはイコール親密な関係かと……。」

「ちょ…、まだそう決めるには早すぎる段階じゃん!
ただの仲良い友達かもしんないじゃん!」









そう言いながら私を励ますカナ。





……確かに、そうかもしれないけど…










「あのお姉さん美人でモデルみたいで…
2人ともお似合いな図だったというか…。」

「だ、大丈夫!柑奈も負けてない!」

「うぅ……逆に傷つく…。」










カナの優しい気配りに
逆にダメージを受けて落ち込む私に


カナはあわわと慌てながら

前向きな言葉を投げかけてくる。










「大丈夫だよ!!
その人より柑奈の方が長い付き合いだと思うし!!」

「………。」

「これまでの出来事の数々からして
あっちも柑奈のこと気になってたはずだし!!」

「………。」










だから、ね?!元気出して!!


と、私を勇気づけるカナ。








私はそれを聞きながら

はぁ……、と 重い溜息を吐いた。








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