好きって言ったら、どうする?








「男の人って、何もらったら嬉しいのかな……。」

「んー、時計とか?
でも私達バイトしてないし
そんなに高いものは買えないよねー。」

「確かに……。」









歩きながら

カナと勇さんへのプレゼントを考える。








勇さんの好きそうなもの……










「Tシャツは家にたくさんあったしなぁ。」

「へぇ、そうなんだ……
…って、え?家家行ったことあるの?」









───────あ。









ついポロッと出た言葉に

私は後になってから気づいた。









(そうだ……っ)









カナには『家出』の話も『看病』の話も伝えてなかったんだった───。








私はそのことを思い出すも



その時は遅くて、

カナは私に「どういうこと?」と
鋭い視線を向けてくる。








……や、やってしまった……っ。










「実は…えっと……
前に1回だけお邪魔させてもらったことがあって……。」

「ほう…。」

「店長さんに頼まれて届け物をした時に……あはは。」










所々真実と嘘を交えながら

私がカナにそう言うと、




カナは「ふーん。」と言いながら
その話を受け入れる。








……まぁ、一応間違ってはないし…ね…。









「で、その時にはTシャツがたくさんあったんだ?」

「う、うん。」

「どんな系統だった?」

「え……系統?」









カナにそう質問されて


私は勇さんの服を
いくつか思い出してみる。






……ほとんど、モノトーン…かな…。









(あと割とシンプル……?
英語のロゴが入ったTシャツが多かったような……。)









そんな風に

思い出したことをカナに伝えると





カナはそれを聞きながら
再度、黙って考え始めた。







私も一緒に

勇さんのプレゼントは何がいいのか
黙って考える。









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