好きって言ったら、どうする?
「進藤くん?」
「悪い、こいつ一旦送ってくる。」
「!」
俺が金田にそう言って
上着を取りに
事務室の方へ向かおうとすると
金田が立ち上がって
慌てた様子で 俺に言う。
「そ…
それやったら、私が送ってくる!」
「……は?」
「せやから、
進藤くんは行かんくてええよ!」
金田は俺にそう言って
自分の上着を側から取って
素早く着た。
そしてそのまま
柑奈を送りに行こうとする金田を
俺は慌てて 引き止める。
「金田はここで待ってろっ。
俺が柑奈のこと送ってくるから。」
「良いやん、私が行って───」
「良くねェよっ。」
女2人で行っても意味ねぇだろ、と
俺が金田に言うと
金田は言葉を詰まらせながら
その場で黙った。
ったく、何を必死になってんだか……
「俺が行くから、ちょっと待っ───」
「大丈夫です。私1人で帰ります。」
俺がそう言いかけた時
不意に 黙っていた柑奈が
俺に向かって そう言った。
俺はその声を聞いて
事務室に向かおうとしていた足を止めて
柑奈の方へ振りかえる。