好きって言ったら、どうする?









「進藤くん?」

「悪い、こいつ一旦送ってくる。」

「!」









俺が金田にそう言って

上着を取りに
事務室の方へ向かおうとすると




金田が立ち上がって

慌てた様子で 俺に言う。










「そ…
それやったら、私が送ってくる!」

「……は?」

「せやから、
進藤くんは行かんくてええよ!」










金田は俺にそう言って

自分の上着を側から取って
素早く着た。






そしてそのまま
柑奈を送りに行こうとする金田を


俺は慌てて 引き止める。










「金田はここで待ってろっ。
俺が柑奈のこと送ってくるから。」

「良いやん、私が行って───」

「良くねェよっ。」









女2人で行っても意味ねぇだろ、と


俺が金田に言うと



金田は言葉を詰まらせながら
その場で黙った。







ったく、何を必死になってんだか……









「俺が行くから、ちょっと待っ───」

「大丈夫です。私1人で帰ります。」









俺がそう言いかけた時



不意に 黙っていた柑奈が
俺に向かって そう言った。






俺はその声を聞いて


事務室に向かおうとしていた足を止めて

柑奈の方へ振りかえる。









< 225 / 428 >

この作品をシェア

pagetop