好きって言ったら、どうする?
原因が自分にあると察しているからこそ
あの視線の動かし方に イラついた。
俺は───
それ以上その2人の姿を見ていられず、
思わず店の中に戻ると
心配したような顔をした金田が
俺の方を 静かに見上げる。
「……え、ええの?追いかけんくて…。」
「…別に大丈夫だろ、放っとけ。」
「で、でも…やっぱり心配やし……」
そう言いながら
俺の代わりに 店から出て
あいつの後を追いかけようとする金田。
「───っ、いいって言ってんだろ!!
追いかけんじゃねェ!!」
「っ!」
───しかし
俺はそんな金田の行動に
思わず、声を荒げてそれを止めた。
俺のそんな大きな声に驚いた金田は
ビクッ!と体をビクつかせながら
扉の前で止まる。
「…ご、ごめん……っ。」
「あ…………悪い…。」
少し怯えながら
俺にそう謝ってくる金田に
俺はハッとして───小さく謝った。
……今のは、八つ当たりだ。
(………っ、くそっ……!)
俺は内心イライラする気持ちが止まらず
悔しい気持ちを持ちながら
カウンターに 黙って座った。
───あの2人の光景が 頭から離れない。
(っ………何で……)
何で、こうなんだよ……!
俺は静かに膝の上で拳を作りながら
静かに深呼吸をする。
……あと1歩が、上手くいかない。
▲勇side END▲