好きって言ったら、どうする?
「これ…この前の模試の結果、ですか?」
「そうだ。
それで…ここ、見てみろ。」
「?」
そう言われて
私は指さされたところを見てみると
そこには───
これまでずっと
難しいと思っていた大学の判定が
視野に入ってきたことを示す結果が書いてあった。
私はそれを見て
思わず、目を大きく開く。
「えっ…嘘……!」
「すごいぞ北澤。
この調子なら、合格も夢じゃない。」
先生はそう言いながら
私に笑顔を向けて
「頑張ってるな。」と言った。
私は判定を見ながらただ驚くだけで
先生の言葉に曖昧に頷きながら
じっと───それを見る。
理想の中の理想というくらいにしか
考えてなかったこの大学を
受けられるくらいのレベルに
やっと達してきたんだ……。
「お前の希望する学部がある大学じゃ
ここが1番だ。
…どうだ北澤、ここ狙ってみるか?」
「っ、はい…!
可能性があるなら、頑張りたいです!」
「そう言うと思った。」
そう言いながら笑う先生に
私も笑顔を浮かべながら
コクコクと頷く。
夏の努力が報われたような気がして
嬉しさが込み上げてくる
そんな中───
ふと先生が
笑顔から 真面目な顔になって
「でもな、北澤…」と
これまでとは違ったトーンで
私に……静かに『あること』を告げた。