好きって言ったら、どうする?









「え……じゃあ、もしかしたら
ここから出ていくってこと…?」

「…うん……。」









私がそう言って
困ったように笑うと


カナは驚いた顔をそのままに

「そっか……。」と小さく声を漏らす。









「私の学部だけ、地方のキャンパスになるみたいなんだよね。」

「じゃあ、他の学部はこっちなの?」

「うん。
……でも、学部が1番譲れないから…。」









その大学に行くとしたら

地方に行く覚悟をしないといけない。







どうすればいいんだろう、と
私が小さく溜息をはきながら考えていると





そんなタイミングで

私の携帯に メールが入った。









(誰だろう……。)









そう思いながら

携帯を開いて、メールを確認すると










「…あ……要くんからだ。」

「え、要くんってあの
噂の塾のジェントルマン?」










私の言葉に
カナがそう尋ねてきて

私はそれに頷く。






夏休みの間に連絡を交換していたから

たまに、彼から
「塾行く?」などと聞いてくるメールが来ることがあった。







そして今回のメールも、その類い。










「…まぁ、大学のことは
親とか塾の先生とかとも相談してみなよ。」

「…うん、そうする。」

「よし、じゃあとりあえず下降りよ。」









下校時間も少し過ぎてるし、と

カナは
机の上に置いておいた私の鞄を渡し


一緒に、教室を出て行く。









──────今日も、塾。










勇さんのところには

今日も きっと行けない。








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