好きって言ったら、どうする?





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「……あ、北澤来た。」

「本当だ!柑奈ちゃーん!」

「あ…皆もう来てたんだね。」










それから

いつもより少し遅れて
塾に到着すると



皆はもう先にかたまって席に座っていて


私の姿を見つけて
ブンブンと手を振ってくる。







私もその近くの席に座ると


要くんが口を開いた。









「あのさ、今話してたんだけど。」

「?」

「来週の土曜にさ、
6時まで自習してから 皆でカラオケでも行こうかって言ってるんだ。」









北澤行こうよ、と


要くんは
いつもの優しい笑みを浮かべながら

私に言ってくる。









……来週、かぁ……。










(夏休みは毎日皆塾来てたから
1回気晴らし…って感じなのかな…。)










「どうしようかな…。」

「北澤も休みなしでやってきてるから
そろそろ息抜きに、どうかな。」

「…うーん……。」










私は要くんの誘いに
曖昧な答えを返しながら

小さく笑みを向ける。






皆も「行こうよー!」と
私を誘うような言葉を向けてくれるけど


私はそれにも 曖昧に笑みを浮かべた。










「まぁ、強制じゃないから
当日来たかったら一緒に行こう。」

「…うん。ありがとう。」









要くんがそう言ってくれて

私はそれに頷く。









そのタイミングで
教室に先生が入ってきて




私たちは話を切り上げて


席に着き
授業に臨んだ───。









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