好きって言ったら、どうする?







それから授業が終わって


いつものように
皆で少し話をしようと教室に残っていたら







不意に







学校の時と同じように、
塾の担任の先生から───名前を呼ばれた。










(多分、同じ話だろうなぁ…。)










そう思いながら
私は返事をして、先生のところへ行くと




案の定…





先生の口から出たのは
模試の結果のことだった。











「北澤。もしかしたらもう
学校でも言われたかもしんないけど…」

「…はい。」

「…まだ迷ってるって感じ?」










教室を出て

塾の面談室に入ると




向かいに座った先生が
片手で顎を触りながら、私にそう尋ねてくる。






私はそれに頷いて

先生に、そのことを相談した。










「やっぱり地方ってなると
少し勇気がいるというか……。」

「まぁそうだよなー…。
でも、他の大学とこの大学じゃ
やっぱり断然こっちのが俺はいいと思うよ。」

「………。」

「偏差値で言ってるわけじゃなくて、
実際 授業とか卒業後のサポートとかも
ここはすごい良いからさ。」










先生はそう言って

私を見ながら、模試の結果表に記載されたその大学を指差す。







先生は、地方に行くことに賛成らしい。







確かにこの大学は
全国区でも有名なところだし

評判が良いのは 私も知ってる。








……でもやっぱり……。










「寮もあるし、
1人暮らしなら援助もつくから
向こうには出て行きやすいと思う。」

「…はい…。」

「まぁ、それを踏まえて
両親と話し合ってみてほしい。」










北澤に行きたい気持ちがあるなら

こっちはいつでも協力するから、と




先生はそう言って面談を止めて
私と一緒に教室を出た。







< 236 / 428 >

この作品をシェア

pagetop