好きって言ったら、どうする?






すると───









「!っ、あ…。」

「…あれ、要くん?」









面談室から出ると


すぐそこに




面談室から出てきた私を見て
目を丸くした要くんが立っていた。





私と目が合うと

何だか少し慌てたような態度でいて



私は不思議に思いながら 彼を見る。










「要くんこれから面談なの?」

「あ…うん。
先生に待ってろって言われて。」










要くんは私にそう言うと
「…北澤も?」と、同じ質問を返してきて

私はそれに頷いた。










「それじゃあ、私はお先に帰ります。」

「うん。
気をつけて帰ってね。」









バイバイ、と



私と要くんは
お互いにそこで手を振って 別れる。






私は教室に戻って

まだ残っていたグループの子達にも
挨拶をしてから 先に帰った。










(…家に帰ったら、お母さん達に言わなきゃ…。)










一体、何て言われるんだろう───と

私はそんなことを考えながら
家へ向かった。















「………っ…。」









─── 一方その頃。









要は

柑奈と別れて1人面談室前に残されると



トンッ…、と背中を壁にもたれさせながら
視線を下に向けて 立っていた。










「………聞き間違い…じゃないよな。」










1人で廊下に立ちながら

小さな声で…そう言葉を漏らす。






そして



口元を片手で軽く押さえながら

無意識に───眉間を寄せた。










「…北澤が……地方…に……?」









< 237 / 428 >

この作品をシェア

pagetop