好きって言ったら、どうする?
すると───
「!っ、あ…。」
「…あれ、要くん?」
面談室から出ると
すぐそこに
面談室から出てきた私を見て
目を丸くした要くんが立っていた。
私と目が合うと
何だか少し慌てたような態度でいて
私は不思議に思いながら 彼を見る。
「要くんこれから面談なの?」
「あ…うん。
先生に待ってろって言われて。」
要くんは私にそう言うと
「…北澤も?」と、同じ質問を返してきて
私はそれに頷いた。
「それじゃあ、私はお先に帰ります。」
「うん。
気をつけて帰ってね。」
バイバイ、と
私と要くんは
お互いにそこで手を振って 別れる。
私は教室に戻って
まだ残っていたグループの子達にも
挨拶をしてから 先に帰った。
(…家に帰ったら、お母さん達に言わなきゃ…。)
一体、何て言われるんだろう───と
私はそんなことを考えながら
家へ向かった。
「………っ…。」
─── 一方その頃。
要は
柑奈と別れて1人面談室前に残されると
トンッ…、と背中を壁にもたれさせながら
視線を下に向けて 立っていた。
「………聞き間違い…じゃないよな。」
1人で廊下に立ちながら
小さな声で…そう言葉を漏らす。
そして
口元を片手で軽く押さえながら
無意識に───眉間を寄せた。
「…北澤が……地方…に……?」