好きって言ったら、どうする?
「っ………?」
───不意に
絡んできた男の人の手が
私から離れて
私はゆっくりと 目を開ける。
隣では友達が
「あ…っ。」と声を上げながら
目の前の男の人を見ていて
私もつられて 前を向いた。
すると─────
「っ、え……?」
その
目の前に映る『彼』の姿に
私は思わず、そんな声を漏らして
目を見開く。
………な、んで……
「ゆ…勇さん……っ。」
「…ったく、これだからお前は
本当に目ェ離しておけねェよ。」
私に目を向けながら
呆れたように小さく笑って
そう言う勇さん。
どうしてここにいるのか、と
驚いている私を放って
勇さんは 男の人の肩を掴む手に
先ほどよりも、力を込める。
「っ…おい、何だよ?
邪魔しないでくれる、おにーさん?」
その込められた力に
男の人が振り返って、彼にそう言ってつっかかると
彼は冷たい視線を
ジロッ---と目の前の男の人に向けて
そのまま 周りにいる彼らを見下ろした。
「───あ?」
そしてそう言った勇さんの声に───
男の人達も
ビクッと、怯えたような反応を見せる。
「チッ……行こうぜ、萎えた…っ。」
そして
まるで勇さんから逃げるように
顔を背けると
彼の手を振り払って
男の人達は大人しく部屋に戻って行った。
私達はそれを見て
思わず…ホッと息を漏らす。