好きって言ったら、どうする?
私はそう思って
ちょうどタイミング良く空いた間に
その話を…切り出した。
「……あの、勇さん。」
「?」
「この前は…ごめんなさい。
勇さんの誕生日だったのに…あんな風に出て行ったりして…。」
本当にごめんなさい、と
私は頭を下げて謝る。
勇さんは私を心配してくれただけなのに……私は……
(勇さんと愛理さんの仲に……嫉妬して…)
2人が仲良くしているのを見てられなくて
逃げるように見送りを断って、
怒った勇さんに…八つ当たりした。
あんなの……ただの逆ギレだ。
「いや…俺も悪かった。
怒鳴ったりして、ごめん。」
「え…っ。」
それなのに
勇さんも何故かこう言って
私に謝ってきて
私は慌てて首を振る。
勇さんは何も悪くないのに…っ。
私はそう思いながら
「私が悪かったんです。」と彼に告げる。
本当に、そうだから…。
「まぁ…お互い様ってことで、もうチャラにしよう。」
「……はい。」
私の言葉に勇さんがそう言って
私はそれに 小さく頷いた。
こういうところも
いつも大人で…勇さんは優しい。
私はまだまだ、子供のままだなぁ……。
「……柑奈。」
「!」
そんなことを思いながら
私が下を向いていると
勇さんが私の名前を呼んで
真っ直ぐに───私を見下ろす。
そして
一瞬目を閉じてから
何かを決心したように…静かに、目を開けた。