好きって言ったら、どうする?
▼愛理side▼









皆の飲み物を運び終えて
進藤くんを呼びに行った時に



少しだけやけど…彼の声が聞こえた。









「───クリスマス。」

「…え?」

「25日…出来れば 空けておいてほしい。」










(──────!)









私はその言葉を聞いて
思わず歩き進めていた足を止める。








……クリスマスの、約束…?








思ってもみなかった展開に
思わず胸の中が焦りだした。






あの進藤くんから、自ら約束しに行くなんて────









(……!そういえば……)









夏休みの時、彼に『好きな人』について尋ねた時



確か彼は
『好きな人』が"いる"と答えていた。








……まさか、"その人"と?










(っ……アカン……!!)









私はそう思って

慌てて足を動かし
2人のいる そこへ近づいていった。





そして進藤くんを呼び戻す風に装い

2人の会話を邪魔する。







するとそこにいたのは─────










「進藤くん?まだ話し込み中---って
え…柑奈ちゃん…?」










(え─────?)










思わずその"相手"を見て

私は静かに 目を見開いた。







確かにいるのは聞いていたけど

まさか本当に会えるだなんて
思っていなかった。






……え?じゃあ進藤くんの好きな人って……ま、さか……?









(柑奈、ちゃん……やの……?)









私はそう心の中で呟きながら
驚きで 心臓がバクバクと鳴る。






そして2人は話を切り上げ

進藤くんは私を連れて部屋に戻ろうとした。





私はそれについて行きながらも
内心…焦りが止まらんかった。









(…アカン……きっとクリスマスに2人が会ってしまったら、きっと……っ。)









私は全てを予感して

それと同時に────固く決心をした。








……負けたくない、柑奈ちゃんにも…。









(どうにかせぇへんと……っ。)









私はそう思いながら

進藤くんと一緒に
皆の待つ部屋に 戻って行った────。









▲愛理side END▲
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