好きって言ったら、どうする?
「で?何か進展を試みたりは?」
「…そ、そんなのできないよ…。」
「はいー?
何でよ、アタックしなよアタック!」
「っ…、だから無理だってば!」
あの天然タラシな勇さんに
私がアタックしたところで何も起こらないのは目に見えてる。
というかそもそも
勇さんは私のこと妹くらいにしか見えないんじゃ……。
「やってみないと分かんないじゃん!
…よし、今日そのラーメン屋さん行こ!」
「……えぇ?!」
私がそう思いながらオロオロしていると、
それに痺れを切らしたのか
カナが勢いよく、私にそう言った。
ほ、本気で行くの?!
「私がその人のこと観察して、対策考えてあげる!」
「対策ってそんな…別にいいよ。
仲良しでいられるだけで嬉しいし…。」
「ダメ!そんなこと思ってたら、知らない女に横取りされるよ!」
そんなの嫌でしょ!?
カナはそう言いながら私をまっすぐ見て
強い剣幕のまま机を叩く。
…そりゃ、彼女出来たら悲しいけど…
(だからって私が彼女になれるなんて
それも夢のまた夢のような気が……。)
私はそう思うけど
目の前のカナは気合十分のようで
行かない、という選択肢は頭にないらしい。
…断ったら、行くまで説得されそうだなぁ…。
私はそんなカナを見ながらそう思い
仕方なく…彼女の提案を承諾した。