好きって言ったら、どうする?







これなら、きっとあいつの好みにも多分合ってるだろう。





俺はそう思って 不意に口を開く。










「ハート型は女の子に不動の人気なのでぇ、きっと彼女さん貰ったら喜---」

「──これで。」

「え?」

「これ買います。」










そして俺は


店員が話してる途中で
言葉を遮り、ハッキリそう告げた。








直感で、即決───。








そんな俺の答えを聞いて
店員は一瞬ポカンとするも


すぐさま「かしこまりましたぁ!」と
笑顔を浮かべて去っていく。







俺はその間もそのネックレスを見ながら

静かに 当日を思い浮かべていた。










(……やべ……何か緊張してきた。)










そして途端に


そう思い、体に緊張感が湧いて
少し落ち着かなくなる。










…これ見たらあいつ、何て言うんだろ。










俺はそんなことを考えながら
少し恥ずかしい気持ちで ネックレスを見ていた。








…照れ臭いというか、くすぐったいというか。









女のためにわざわざこうしてネックレスを選びに来ること自体が


俺にとっても初めてで。






しかもまだ告白前の相手にあげるなんて


多分この先 一生無い。










そんなことを考えながら
店員を待っていると




先程の店員が戻ってきて

その場で会計を済ませた。







箱のネックレス入れにそれが仕舞われると

プレゼント様にリボンやら何やらを
可愛らしく装飾され


それをまた綺麗に包装して 手渡される。








俺がそれを受け取って店を出ると




後ろから「ありがとうございましたぁ!」と言う店員達の声が 外に響き渡った。








…これで、プレゼントは無事買い終えた。









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