好きって言ったら、どうする?
(あとは場所決めだけか-----。)
俺はそう思いながら
プレゼントを持って、街中を歩き始める。
イブ前日なだけあって
どこもかしこもクリスマスムード一色だ。
店の外には小さいツリーが飾ってあったり
電光飾りで派手に装飾されている。
そんな街の中を1人で歩き進めていると
すぐ側に立っていたバイトのサンタクロースに、声をかけられた。
「お兄さん、クリスマスケーキいかがですか!今ならご予約もできますよ!」
「………。」
(あ─────。)
俺はそう言われて振り向き
そのサンタの言葉で ハッとする。
───そうだ、ケーキ。
頭の片隅にも無かったその言葉に
助かったと思いながら
軽く会釈をして そのサンタの前を通り過ぎた。
クリスマスケーキの存在忘れてたな──。
割と大事なものを忘れていた気がして
俺は内心ホッとする。
(…ケーキが食えるとこに連れてくか。)
そして、その言葉のおかげで
行く先が1つ決まった。
レストランは後で予約を取るとして…
あとは待ち合わせ場所だけだ。