好きって言ったら、どうする?







教室に到着して、2人で中に入ると


いつもと同じように
皆がこっちを見て 声を上げた。












「あ、2人共きたー!
わぁー!柑奈ちゃん可愛いー!」

「北澤さんは今日デートだな〜。
羨ましい〜!」












そして、私達がグループの側へ行くと


私のよそ行きの服装を見て
男子達がそうからかってくる。





私はその言葉に
思わず少し顔を赤くした。









で、デート…になるのかな……これは…?








「えー!なになに、柑奈ちゃん彼氏いるのー?」

「え?!い、いや!いないよ…っ!」

「彼氏じゃないの?
じゃあ好きな人ー?」

「っ……いや、その……。」












女の子からそう聞かれて

私は視線をキョロキョロさせながら口籠る。








……完全に、バレバレ。








嘘をつけない自分に
またしても恥ずかしくなりながら


私は曖昧に笑って 一応誤魔化した。












「うわ〜〜何その反応!
いいなぁ、俺も青春してぇー!」

「ふふっ、柑奈ちゃん可愛いー!
めっちゃ照れてるー!」

「あはは、北澤は正直だもんねー。」










案の定バレてしまっていて

私は皆からそう言われ からかわれる。





要くんも優しく笑いながらそう言って
私の方を見ていた。







うぅ、勘弁してください…っ。










「つかそーいう要は?
今年のクリスマスどーすんの?」

「俺はおばあちゃん家行くよ。
家族みんなで行ってくる。」

「おっ!同士じゃん!
彼女がいない同盟は健在だな!」

「あはは、俺ら同盟組んでんの?」










いつの間にー、と
ケラケラ笑う要くん。





今年 男子組は
家族と過ごす人ばかりらしく

皆で仲良くその話題でワイワイ騒ぐ。






そんなことをしているうちに
教室に先生が入ってきて



私達は急いで 席に着いた。











「北澤、帰り一緒に帰ろ。」

「あ、うん。そうしよっか。」









隣に座った要くんが
少し顔を近づけて、小さく囁く。





行く場所同じだもんね、と


私達は小さな声で話しながら
そう約束をして



そしていつものように

先生の授業を受け始めた。









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