好きって言ったら、どうする?
*Section11
「明日から冬休みだねぇー!
ねぇ柑奈、一緒に旅行行こうよ!」
「ん?」
大学の講義が終わって、
疲れた体をぐーっと伸ばしていると
隣の席に座っていた友達が
不意に…私にそう提案してくる。
私はそれを聞いて
「あ…」と小さく声を漏らし
眉を下げて、彼女に謝った。
「ごめん、私今日から
実家の方に帰省するんだよね。」
私がそう言って苦笑いを向けると
彼女は「えー!」と声を上げて、
残念そうに眉を下げる。
「そんなぁ〜。
…でもそっかぁ、柑奈の地元ここじゃないんだったね。」
「うん。そうなんだ。」
ごめんね、と私が言うと
彼女は首を横に振って「気にしないで」と返してくれる。
私達はそんな話をしながら荷物をまとめて
退出していく人達と一緒に
講義室を そのまま出て行った。
──────大学1年の冬 12月21日
大学に入学して以来 初めて…
私は、実家に帰省する。