好きって言ったら、どうする?







「じゃあ明日また連絡するわ!」

「ん。気をつけて帰れよ。」

「はいはーいっ!」









笑顔を浮かべたまま 俺と一緒に店を出て

そのままそう言うと
金田は駅の方へ 足早に去っていった。






俺はその後ろ姿を眺めながら


ふと───あいつのことを 思い出す。











(…………。)









───金田の後ろ姿が





あの最後の朝の……柑奈の後ろ姿に
少し、似ていたからかもしれない。








俺はそう思いながら


金田の後ろ姿から視線を逸らして
階段を上っていく。







そして

ズボンに入れていた煙草を取り出して
徐ろに吸い始めた。











─────明日










(明日……金田にはちゃんと、返事をしよう。)









時効が来てるかもしれないが、

俺にはそれを…答える義務がある。








何も言わないが

きっと金田も……それを待ってるはずだ。










「…俺は………」










俺は─────。











▲勇side END▲
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