好きって言ったら、どうする?
「───次は---駅───。」
そんなことを考えていると
あっという間に1駅過ぎて
私の降りるべき"あの駅"に到着する。
私は開いたドアからホームに降りると
改札に向かって歩いて
そしてやがて、そこへと到着した。
(……やっぱり、変わらない…。)
駅中も駅前も以前と変わらず
静かで、この時間はまだ人が少なくて。
駅の出口前にすら
きっとこの時間は誰もいない───
「…………え?」
───そう、そう思っていた。
…以前なら、それがほとんどだったから。
──────なのに
出口前のガードレールに寄りかかる
その姿には
嫌なほどに 見覚えがあって─────
思わず、そんな声が口から溢れた。
「……………え?」
そして
そんな私の声に
『その人』が顔を上げると
私を捉えた『その人』の瞳は、
大きく見開かれて
そして
口元に加えていたからの煙草が
ポトッ───と
静かに、地面に落ちた。