好きって言ったら、どうする?









「……冬休みなので、実家に帰省に。」

「………。」










目を丸くして固まる彼に

私が小さく笑みを浮かべながらそう言うと






彼は開いていた口を閉じて

少しの間…黙った。








そしてそれから視線を下へと逸らすと

小さな声を 私に向ける。










「……また、何も連絡なしかよ。」










小さくそう
呟くように私に言うと



彼はまた口を閉ざして そのまま黙った。








私は彼のその言葉に何も返さず

ただ視線を───下げるだけ。










(…約束、守ってくれたんだね店長さん…。)









そして私は沈黙の間に そんなことを考える。










───あの日







店長さんには
勇さんには言わないという約束と共にお別れを言った。






彼に何を聞かれても


『何も聞いてない』と、答えてほしいと。









彼がこのような反応をするということは

店長さんが、私との約束を守ってくれた証───。







私はその事実に 少しだけホッとした。








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