好きって言ったら、どうする?
*Section13
──────12月23日
(………ん……)
体が
深くどこかに 沈むような…
そんな感覚がして
私はゆっくりと、目を開ける。
……ここは……どこ…?
(………海…?)
私は 青い中に浮いていて
下を向くと真っ暗で
上を向けば キラキラと光る水面が
広く広く───広がっているのが見える。
私はそこに……沈んでいた。
(……早く、上がらなきゃ……。)
海から出ようとして
私は上に手を伸ばすけれど、
体はそれ以上浮くことも動くこともなく
どんどん…沈んでいく。
──────嫌だ、沈みたくない。
(助けて……誰か……)
誰か助けて
私が心の中でそう強く願うと
──────その時誰かが
私の名前を 優しく呼んだ。
『────柑奈。』
『!』
私はその声に気がついて
声のする方へ 振り向く。
……私が、彼の声を間違えるはずがない。
私はそこにいた彼に
真っ直ぐに手を伸ばして、
彼の手を取った。
『っ…勇さん!』
『………柑奈、俺さ…』
私の手を掴んだ彼が
私の目の前にやってきて
そして真剣な顔をして……私を見る。
それで
その真っ直ぐな瞳で見つめながら
私に言ったの。
『─────。』
(………え?)
私がそれを聞いて 大きく目を見開くと
勇さんはそのまま優しく微笑んで
私の手を離して
どんどん……遠くに離れてくの。
『っ…待って!待って勇さん!』
(待って……っ!)
──────まだ、行かないで。