好きって言ったら、どうする?
「………た、ただいま…です。」
「ふっ……何だよその日本語。」
不意を突かれ言われた言葉に
私が驚きのあまりにそう返すと
勇さんは小さく噴き出すように笑って
私に、そう言った。
………少しだけ
昔の懐かしさを感じて
安心感と、嬉しさが…体からこみ上げる。
私はそれを密かに感じながら
再び黙って…海の地平線を 見つめた。
「………夢、見たんだ。」
「…え…?」
「…今朝、夢にお前が出てきた。」
──────ドキッ
私はそう言った勇さんの言葉に
思わずまた驚いて、
再び 彼の方に視線を向けた。
……私も、同じ。
私も 今朝同じように彼の夢を見た。
まさかそんな偶然もあるのかと
驚いていると
勇さんは海を見つめながら
その話を続ける。
「……夢ん中でもお前やっぱり頼りなくてよ、思わず起きて笑った。」
「っ……そ、そうですか…。」
「はは、嘘だばぁか。」
なっ……!
そう言ってクスクス笑う勇さんに
私が思わずムッとした顔を向けると
勇さんはそれでも小さく笑いながら
ごめんごめん、と
私の頭を撫でて 私を宥めた。
──────ドキッ
私は彼のその懐かしい仕草に
思わず心臓を鳴らしながら
体を固まらせる。
──────1年ぶりの勇さんの手は
相変わらず…優しかった。