好きって言ったら、どうする?









「……夢ん中のお前は幸せそうだったよ。」

「………。」

「……俺はそんなお前と、一緒に笑ってた。」









それ見たらなんか、懐かしくなってきて






勇さんは話しながら続ける。









「……それで何か気分良かったから…
散歩で海でも見ようかと思って、な。」

「………。」

「…そしたら本人がいるからよ、
そりゃ固まって驚くわ。」









勇さんはそう言いながら

真っ直ぐ海を見つめたまま
ふーーっ…と、息を吐く。







私はそんな彼に



静かに…口を開いた。









「……私も、今日勇さんの夢見ました。」

「……え…?」

「…私も、幸せな夢でした。」









だから、私もさっき会った時
すごくビックリしました と、




私も正直に勇さんにそう告げると





いつの間にか自然と浮かべていた笑みを

彼に…静かに向ける。








「…っ………。」









それを見た勇さんは

小さく息を飲んで 私を見つめて






そしてそれから…不意に、黙った。











──────沈黙が 私達を包む。








< 366 / 428 >

この作品をシェア

pagetop