好きって言ったら、どうする?
「……夢ん中のお前は幸せそうだったよ。」
「………。」
「……俺はそんなお前と、一緒に笑ってた。」
それ見たらなんか、懐かしくなってきて
と
勇さんは話しながら続ける。
「……それで何か気分良かったから…
散歩で海でも見ようかと思って、な。」
「………。」
「…そしたら本人がいるからよ、
そりゃ固まって驚くわ。」
勇さんはそう言いながら
真っ直ぐ海を見つめたまま
ふーーっ…と、息を吐く。
私はそんな彼に
静かに…口を開いた。
「……私も、今日勇さんの夢見ました。」
「……え…?」
「…私も、幸せな夢でした。」
だから、私もさっき会った時
すごくビックリしました と、
私も正直に勇さんにそう告げると
いつの間にか自然と浮かべていた笑みを
彼に…静かに向ける。
「…っ………。」
それを見た勇さんは
小さく息を飲んで 私を見つめて
そしてそれから…不意に、黙った。
──────沈黙が 私達を包む。