好きって言ったら、どうする?
「……なぁ。」
───そして不意に
2人で一緒に
黙って眺めていたら
隣に座る彼が 私に向けて口を開いた。
波風に吹かれながら
彼を見上げて
私は視線で、返事をする。
「……夢の話ついでに、聞くけど…」
彼は私を見つめながら
先程までとは違った
真剣な顔をして──────
私の方を 真っ直ぐ見据えた。
「……もしも、の話だけどよ。」
そして彼は
何だか少し寂しそうな声で
そう呟くと
寒い冬風が弱く吹いて
互いの頬を冷たくする中───
私に……静かに 尋ねた。
「…もし、俺が好きって言ったら
…お前 どうする?」
─────まるで私の見た
夢の中の 彼のような言葉を。
『────好きだ、柑奈。』
夢の中の彼と
目の前の彼が────静かに重なった。