好きって言ったら、どうする?








「………もう、会うのやめましょう。」

「……え?」











そして







今度は私が沈黙を破って

勇さんに…そう告げた。








────自分で言っていて、苦しい。









だけど





こんな風に話しちゃったら…もう
忘れられない気がして







お互いのためにも

そうした方が良いのだと…私は自分に言い聞かせる。








そうして




私は再び、重い口を静かに開いた。










「…こんな風に2人でいたら…彼女さんが可哀想ですから。」

「………。」

「だから……もう…」















(────っ!)











そこまで私が言葉を発すると





勇さんはそれ以上を遮るように



ガシッ…と、
私の腕を静かに掴んだ。








私はそれに驚いて

彼の方に顔を向けると









…勇さんはあの切なげな目で私を見て









小さく、言葉を詰まらす声が聞こえる。
















「……嫌だ。」















────そして









私に向かってそう言うと


腕を掴む力を 少しだけ……彼は強めた。











あの勇さんがこんな風に嫌と言うのは



私も…今まで見たことがなかった。











────私はそんな彼の姿を見て


心臓を掴まれたような
そんな苦しい感覚に 襲われる。











(………っ……。)















……でも







その方が良いということくらい


勇さんだって…分かってるはずだ。











いつかはちゃんと






区切りを────付けなきゃいけない。








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