好きって言ったら、どうする？

(っ………。)









振り返らずに、その場を離れて



やがて彼の視界にも映らないところまで歩いて到着する。






……それなのに









(振り返らずにここまで来たのに……っ
まだ…、苦しい……。)









勇さんから言われた【約束】が
頭の中を巡って

未だ 私の胸を苦しめていた。








……行くわけには、いかない。









(行かなければ……それで終わるんだから…。)








───それで、いい。






私は自分にそう言い聞かせながら
ゆっくりと、実家へと足を進める。







そしてそんな時に不意で


私の携帯の着信音が
ポケットの中から 聞こえてきた。









(朝に、誰だろう……。)









私がそう不思議に思いながら
携帯を取り出すと




そこに表示されていたのは

『飯島要』の文字。








要くんから、メールが届いていたのだ。









(要くん…？何、だろう……。)









昨日───



彼に言われた言葉を忘れたわけではない。






でも、真剣に言ってくれた彼への返事を
私はまだ決められていなかった。





……それに関するメールだったら、どうしよう…。