好きって言ったら、どうする?
▼勇side▼









─────あれから少しして


俺も堤防から立ち上がり、家へ帰る。







行く時は まさか会えるなんて思わず
ただ気分的に行動しただけだった。


会えたのは本当に偶然で

互いに、何の意図も無かったものだ。








……それが余計、嬉しかった。










「おはようございます、店長。」










家に戻ってから、仕事着に着替えて
1階に行けば


案の定すでに店長は準備を始めていた。





俺もその手伝いを始めて
開店準備を行う。









「勇、お前今年は明日…どうすんだ。」









するとそんな時

店長が俺へ、不意にそう尋ねてきた。






勿論シフトはすでに出来上がっていて
休みは明日だけ、取ってある。






……多分、店長なりに俺のことを心配してるんだろう。





去年は───落ち込んでたから。









「……明日、柑奈と約束してます。」

「!!そ、そうなのか…っ?!」

「はい。
…でも、あいつが来るかは分かりません。」









俺がそう言うと

驚いて目を見開いていた店長が
こちらを見て、眉間を寄せた。





俺はそんな店長に視線を向けずに
少しだけ口角を上げながら 口を開く。









「俺が一方的に取り付けてきたんで。
…来るかどうかは、あいつに任せてあります。」










────来なければ、それまで。






俺は2度と あいつには関わらない。









そう決めている俺の言葉に

店長は眉間を寄せながらも
それ以上何も言ってくることなく

「…そうか。」とだけ返した。








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