好きって言ったら、どうする?







そして2人でそのゴンドラに乗り込むと

扉が閉められて、出発する。






上へ登っていくゴンドラの
窓から外を静かに眺めた。





……綺麗…。









(………まるで…)









───あの時見た、夜景みたい。









私はあの日───彼と行った遊園地の
観覧車から見た景色を思い出して

不意に、そんなことを思う。









「綺麗だね。上に着いたらもっとすごいんだろうなぁ…。」

「そうだね。
園の外の夜景も見えるかもね。」









そうだったら、最高だね───と






要くんは私に笑いかけながらそう言って

私はそれに小さく頷きながら
「そうだね。」と返した。










「早く着かないか、楽しみだね。」

「うん…ドキドキするね。」









私は彼の言葉に頷いて

それから再び外の景色に視線を移す。









……待ち合わせ時間はとうに過ぎた。







私が帰る頃には
彼もとっくに…帰っているだろう。






……それでいい。








(このまま時間が過ぎれば良い───。)









ゴンドラに乗りながら

私は静かに そんなことを願っていた。










それまではどうか…







この魔法に、かかっていたい。









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