好きって言ったら、どうする?
「───頂上だ。
北澤、降りるよ。気をつけてね。」
「あ…うん。ありがとう。」
そんなうちにゴンドラは頂上に到着して
私達はそこから降りて
人の集まる丘の上へと向かう。
そこから見た景色こそ
絶景ポイントなんだろう。
要くんは私の手を取って
足早にそこへ向かうと
先に景色を目にした彼が
私の方へ振り返り、笑顔を浮かべた。
「見てみな、北澤。
きっと…すごく気にいると思う。」
そう言って
彼が私の手を引いて
そこ夜景の前へ私を導くと
そこには────
「…っ……わぁ……!」
赤、白、黄色、青、緑…
夜の光景とは思えないほどに
カラフルに光り輝く───園内と
その周りに広がる夜景の光。
夜に輝く世界がこんなにも綺麗で
私は思わず息を止めてしまいそうになった。
………本当に、素敵……。
「どう?気に入った?」
「うん……すごく気に入った…!」
「はは、それは良かった。」
要くんは私の笑顔を見て
自身も嬉しそうに微笑むと
私の手を優しく握る。
私はそれに気付いて
何も言わずに、握り返した。
「………北澤。」
「…ん…?」
2人して黙って夜景を眺めていた時
不意に彼が
静かに私の名前を呼ぶ。
私はそれに返事をして
隣の彼を見上げた。