好きって言ったら、どうする?







「要くん、何と悩んでるの?」

「えっと……
ハンバーグとカルボナーラ、かな。」

「そっか…。
あ、じゃあ半分こしない?」









私が要くんにそう提案すると


要くんは「え?」と
私に尋ね返してきて、

それから目をパチパチと瞬きさせた。







私はそれに小さく笑って返す。









「私カルボナーラ頼むから、要くんに半分あげるよ。」

「え…いいの?」

「うん。そしたらどっちも食べられるでしょ?」









よし、決まり。と





私が要くんに言って
手を挙げて店員さんを呼ぶと




要くんは少し驚いたように私を見ていたけれど


少ししてから、フッと優しく笑みを浮かべた。










「本当、北澤って優しいよね。」

「え…。」

「ありがとう。嬉しいよ。」









注文を終えると同時に
要くんからそんなことを言われて

私は思わず目を丸くする。







そして同時に何だか照れくさくて


「そ、そんなそんな……。」と
彼に慌てて返した。









(…………あれ……。)










何だか…前にもこんなことがあったような…









私はそう思い
それが何だったのかを考えて





そしてすぐに、思い出す。











───あぁ、そうだ。











(勇さんと、遊園地来た時にも……)












確か彼と、ご飯を分け合ったんだっけ。









私はそれを思い出して

少し胸が、ズキッ…と痛む。








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