好きって言ったら、どうする?
『……お前さ。
……何でこんな時間に、1人でこんなとこいんの?』
───初めて会った頃の彼は
今私の知る彼よりも
ずっと無愛想で表情がなくて
不良の男の人達を追い払った時も
背筋が凍るほど怖い雰囲気を持っていた。
それなのに、
私の安否を確認して
家出した私を拾ってくれた彼は
相変わらず優しく、親切で。
すぐ落ち込む私を心配して
わざわざバイト終わりに電話をかけてきてくれたり
私の受験勉強を気遣って
夏休みは連絡を避けてくれたりする
見た目に反して真面目な一面もあって。
『もう少し……いて欲しい。』
それなのに、急に子供みたいに
寂しがって甘えてきたりもして。
熱で弱ってたのもあったんだろうけど
最初1人で平気だなんて
強がってたのに
帰り際引き止めるような
可愛い彼がいた。