好きって言ったら、どうする?
*Section15
「───っ、柑奈!!」
そう叫んだ彼の声が
私のすぐ近くで 確かに響いて
それから暖かい何が───静かに、私を包み込んだ。
(………な、んで……)
何で、どうして───
言葉として出すことができないその言葉が
私の頭の中を巡って
そして同時に
確実に感じる誰かの温もりの存在と感触を自覚していて───
───何が、一体、どうなっているの。
「はぁ、はぁ……っ。
………やっぱり…ここにいた…。」
「っ……。」
───この現実から
早く逃れたいと思っているのに
それとは裏腹に
耳元で感じる彼の息遣いと
彼の声に
私の体は 確かに反応していた。
……心臓が高鳴って、止まらなくて、
息が苦しくて、胸が苦しい。