好きって言ったら、どうする?











(勇さんだって……)










昨日の海で私が『彼女さんがいるでしょ』と彼に言った時

彼は確かにそれを肯定していた。










それなのに……どういう……










「…全部、誤解だから。」

「え……?」

「…金田に告白されて、一方的にキスされただけだったんだよ。」











そう混乱している私に
勇さんは静かにそう説明し始めて


私はそれを黙って 静かに聞く。











「でも結果…お前のことを傷つけて、
俺はあの日 お前を探しに行けなかった。」

「………。」

「……その俺がお前の傍にいるなんて、
そんな資格はないと思った。
…だから昨日も、俺はお前に嘘ついた。」











勇さんは視線を下げながら


私の手を握る手は離すことなく
包み込んだままで 静かにそう言った。











「でも───もう2度とお前に会えなくなると思ったら、耐えられなかった。」

「……っ。」

「お前以外なんて、やっぱり俺には考えられない。
柑奈が他の誰かとなんて…考えただけでおかしくなりそうなんだよ。」











勇さんはそう言うと


顔を上げて
真っ直ぐに私を見つめて───





そしてはっきりと、私に告げる。







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