好きって言ったら、どうする?
「……っ…!」
「…もうずっと お前のことしか
考えられなくなってた。」
「……勇、さ……っ。」
「だから……俺のもんになって。」
そう言って
勇さんは私の手を
改めてちゃんと握り直して
私の目を───瞳の奥の私を
しっかりと、真っ直ぐに見つめる。
(──────っ。)
…あぁ…
諦めてた彼のこの言葉を、この日を
私は何度───夢に見ただろう。
私は再び歪み始めた視界を認めながら
止めることのできない涙を
そのまま流した。
そして握る彼の手を握り返して
その手を───顔にもっていく。
額に彼の手を当てて
そのまま嗚咽として出る私の想いを
彼にぶつけた。
彼はそれを感じ取りながらも
小さく笑って、わたしに告げる。
「言ってくれよ、柑奈。」
「っぅ……、…ん……っ。」
「お前の言葉で…ちゃんと聞きたい。」
聞かして───?
勇さんはそう言いながら
私の手を握る力を少し強めて
静かに私の言葉を待つ。
私はゆっくり呼吸を繰り返して
彼の瞳を見つめ返した。
───好き、大好き、大好き。
「……わ、私……」
「………。」
「…っ……私も、勇さんが好きです…大好きです…っ。」
───貴方が、好き。