好きって言ったら、どうする?
「ん……。」
私の答えを聞いて
勇さんは再び優しく微笑むと
私を正面から強く抱きしめて
私の後頭部に、自分の手を当てる。
そして勇さんの胸に顔をくっつけるようにして抱きしめられると
私は泣きながらもその背中に手を回して
強く強く───彼の存在を確かめた。
彼も同じように
私を強く、抱きしめる。
「……もう、無理だと思ってた。」
「……!」
「もう来ないんだろうなって、半ば諦めてたんだ。……でも、来てくれた。」
「っ……勇さん…。」
「…ありがとな、来てくれて。」
勇さんはそう言いながら
私の頭を優しく撫でて
私の耳元で 小さく笑った。
私はそんな彼に
もっと強く抱きついて
彼の胸の中で
何度も何度も、頷く。
「好きです……ずっと、大好き…っ。」
「…俺も……ずっと好きだったよ。」
「っ……勇さん…。」
─────ありがとう。ありがとう。
私を覚えててくれて
私を好きでいてくれて
私を諦めないでいてくれて───ありがとう。
私はそう心の中で何度も呟きながら
もう1度静かに 涙を流した。
そうしてしばらく抱き合ってから
不意に体が離れて
勇さんが真っ直ぐに…私を見つめる。