好きって言ったら、どうする?
(………っ。)
───確かに、彼の言う通りだ。
こんな制服のまま
夜中に1人でこんな場所に居れば
また…
変な男の人に絡まれるのは目に見えてる。
……でも
この時間から友達の家になんて行けない。
お金もそんなに持っていないし、
女子高生1人じゃ
きっとホテルにも泊まれないだろう。
(……どう、しよう…。)
私は視線を下げながら
黙ってこれからのことを考えるけど
全然……案は浮かばない。
───すると
そんな私を見下ろしていたお兄さんが
ズボンのポケットに手を突っ込みながら
再び…口を開いた。
「……お前、腹減ってねェ?」
「…え?」
「ラーメン奢ってやるよ。」
お兄さんは表情を変えずに
私に向かって、そう言った。
(………へ。)
私はそんな彼の言葉に
拍子抜けするように
思考が停止する。
……いきなり、何?
咄嗟に思ったのは、 それだった。
真剣に悩んでいた時に
そんな関係ない間抜けな質問をされ
私は思わずポカンとしてしまう。
「すぐそこだから。
餃子もおまけで付けてやるよ。」
「…え?いや、あの……っ。」
「だからお前も 俺に協力して。」
───え?
彼はそう言うと
また後ろへ向き直して
そのままゆっくり、前を歩き出した。
『協力』って、何……??