好きって言ったら、どうする?
「だって普通 顔冷やすために顔覗かなくない?そんなことしなくても冷やせるっしょ。」
「………そ、そうかな…。」
「それに睫毛だって、普通自分で取る前に本人に教えてあげるもんじゃない?」
カナは冷静な顔でそう言って
私のことをまっすぐ見る。
私が「そうかな…。」と返事をすると
「絶対そうだって!」と念押しされる。
「まぁ人によりけりかもしれないけど!
少なくとも、脈なしの相手にそんなことしないって!」
「……そ、そうかな……。」
「そうだよ!
だってさ、想像してみな?
もし柑奈がその途中で会った要くん?って子と遊んでたとして!」
そう言いながら
カナは私に 同じシュチュエーションの時
自分はどうするかを尋ね始めた。
私はその状況を 黙って頭で想像する。
「要くんの頭に花びらが付いてました。
柑奈は最初に何する?」
「……要くんに言ってあげる、かな…?」
「じゃあもしそれで要くんが自分で取れなかったら?」
「そしたら、私が取ってあげるよ。」
自分の頭って鏡がないと自分じゃ見えないからね、と
私が答えると
カナがバンッ!と軽く机を叩いた。
「ほら!先に本人に知らせるじゃん!」
「……あ、本当だっ!」
「ほらやっぱり、普通何も言わずに
相手に触ったりしないって!」
やっぱりそうだよ!と
カナは自信満々に 私へ再度そう言った。