珠利と真実―約束の恋の音色―
話の途中で真実からメールが入った。

仕事が終わったという内容だった。

真実に来てもらいたいと思った珠利は

「ねぇ、真実も一緒に飲んでもいい」

涼夏にたずねた。

「別にいいよ」

あっさりOKした。

しばらくして、真実がやってきた。

「お待たせ」

真実は座りドリンクを注文した。

涼夏にとっても真実は良き相談相手だった。

年下ながらもしかっりしている。

真実はときおり、

「珠利と付き合うようになってから、いい意味で俺は変わった」

照れくさそうに口にする。

涼夏は二人を見てやれやれ、またノロケを見せられたと思った。


そして深夜2時。

顔が赤くなってきた涼夏を見て珠利は

「ねぇ、大丈夫?そんなに飲んで」

心配する。

「大丈夫、大丈夫」

すでに酔っている。

「すずちゃん、後で俺が送って行くよ。とりあえず、烏龍茶でも飲んで」

真実はアルコールを飲ますのをやめさせる。

そして、真実が送るという言葉を聞いた涼夏は二人の時間を邪魔してる気がして、他の人に送ってもらおうと思った。

携帯を取り出して、

「いいよ、真実くん。他の人に送ってもらう」

涼夏は言った。

「他の人って、こんな時間に起きてる人っているわけないだろ」

真実は遠慮するなと言わんばかりだ。

「大丈夫よ。ちゃんといるよ」

とりあえずダイヤルした。


「あっ、もしもし。誠也。今、大丈夫…」

涼夏は電話で話始めた。

2、3分くらいして電話を切り、

「いたよ。送ってくれる人。1時間くらいでくるから」

涼夏はあっけらかんとする。

そして1時間過ぎて、電話の相手がやってきた。

「待たせたな、涼夏」

髪の毛の色が派手で服装はTシャツにジーパンだったが、明らか歌舞伎町の人間であるのがわかる。

目つきは悪いが、ワイルドでマツジュン系の美形だ。

煙草をくわえた姿がサマになりそうな感じだった。
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