人狼ゲーム
重く沈んだ室内に、不愉快な羊の声が突き抜ける。
《では、処刑会議を開始して下さい。》
ー残り10分です。ー
アナウンスとほぼ同時に、家なき子の泣きわめく声が耳に届く。
「あああ、ごめんなさい、ごめんなさい....。鈴キングは、村人だったわ....。ごめんなさい....私が、決断したばっかりに.....。
もう嫌...。霊能力者なんて、もう嫌...。誰かを指定するなんて責任、もう嫌ああああっ!」
家なき子は狂ったかの様に髪の毛を振り乱し、一点を見つめてその後何かをブツブツと呟き始める。
「おい、大丈夫か?」
takuの問いかけにも反応せず、家なき子は1人お経の様に何か意味不明なことを呟き続ける。
「家なき子さん、壊れちゃったみたいですぅ....。怖いのは、皆一緒なのに...。」
メロンが同情の様な目を彼女に向けていた。
それもそうだ。
こんな所に拉致されて、こんなゲームに参加させられて....。いくらプライドの高い郁美でも、おかしくならない訳がない。
けど、この状況は......
村人にとっては、圧倒的不利だ。