オレの隣で、笑って。 【完結】
―――シーナは、俺のもんだ―――

タオルでざっと髪の毛を拭き、そのタオルを力いっぱい地面に叩き付けた。


あのとき。
シュート練習の最後の一本、ちょうど100本目。
目に入った姿は、こっちを見ているシーナだった。
シーナだと、すぐに気づいた。

カッコいいところを見せたくて
シーナに見ていて欲しくて
俺が手をあげると、シーナも返してくれたから
腐っていた気持ちを入れ替え、魂こめてシュート一本、打ち込んだ。

見事ゴールが決まった時、シーナはピョンピョンと小さく飛び跳ねたように喜んでいた。

その姿があまりにもかわいくて、俺はシーナに向かって走りだしていた。
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